有料老人ホームへに転職した看護師は転職理由として「病棟勤務よりも忙しくない」を挙げることが多い。つまりこれがまず大きなメリットとして挙げられるだろう。夜勤・残業・休日出勤は当たり前、オンコールへの対応なども必須な病棟勤務では心身の負担が大きすぎてもたない、だから体力的にも時間的にもゆとりをもてる有料老人ホームで働くことにした、というわけだ。
これは子育てや家庭との両立を目指す看護師にとってとくに大きなメリットになるだろう。ただし、有料老人ホームの中には24時間体制の看護環境を採用しているところもあり、まったく夜勤がないというわけではない。ただその頻度や残業の多さなどは病棟勤務に比べて明らかに少ないのは間違いないだろう。
サービスの利用者と長期的な付き合いのなかで信頼関係を築いていける点をメリットに挙げる看護師も多い。介護・福祉施設の性質上、サービス利用者は長期間に渡って利用することが多く、日常的なコミュニケーションのなかで関係を築いていくことになるのだ。あとは医療行為の機会が少なく、命を左右するような深刻な事態に向き合うことが少なく、プレッシャーが少ない点がメリットに挙げられることもしばしば見られる。
一方デメリットとしては給与面への不満とキャリアアップのチャンスが少ないことが代表格として挙げられるだろう。介護施設全体の給与水準の低さが問題となっており、看護師も例外ではない。また病院勤務に比べてキャリアアップの選択肢が限られており、給与面だけでなくキャリアパスの面でも不満を感じることがある。